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PPESの強み
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チームの一体感が、理想のバッテリーをつくりだす

「(コンセプトを聞いたとき)本気ですか、というのが正直な気持ちでした」(40Aプロジェクト セル設計担当者)

PPESが開発・生産を手掛ける40A(製品名称)は、トヨタ自動車として初のBEV専用プラットフォームを採用した新型車両「bZ4X」に搭載されている高容量リチウムイオンバッテリーです(※BEV:ガソリンを使わず電気のみで走る車)。

納入先のトヨタだけでなく、脱炭素をめざす日本社会全体からも、多くの夢と期待を託されて開発されました。当然、要求も高くなります。40Aは、従来のBEV用バッテリーと比べセルあたりのサイズが3倍、電池容量は4倍(当社比)という、かつてない大型高容量のバッテリーです。

電気エネルギーを蓄えるデバイスであるバッテリーは、大きくなればなるほどたくさんのエネルギー量を蓄積することになります。その分、安全性を確保するための技術も非常に高度になります。

「このサイズで安全性を成立させること、それが最初の課題でした。まだ構想段階で設備も何も無いなかでみんなで集まって、手作業で電池材料を巻いて試作品を作り、安全性を検証しました。ちょうどPPESという会社が発足する前後の時期です。トヨタ・パナソニックから電池のエキスパートが集結して必死に検討にあたっていました」

安全性の他にも、バッテリー寿命において10年使用後で90%の容量維持率や、30分という短時間で80%の充電を可能にする急速充電性能など、ハイレベルな条件が求められました。しかも、その開発から量産化までの期間は2年半。従来の半分の期間での実現が望まれる、それだけ期待値の高いバッテリーでした。

難しい課題だからこそ、一体感が生まれる

「やっていくうちに課題が次々と発生したのですが、組織機能の分け隔てなく、オープンに議論しながら全員で解決していこうという雰囲気がありました。組織ありきではなく製品を軸に、40Aを開発する仲間が一堂に会し、どんな課題であれ誰が手を挙げたっていい、そうすることですばやく解決策を出していくことができていました」

問題が発生しても、誰かを責めるような風潮は全くなかったと、40Aプロジェクトの担当者は口をそろえます。トヨタやパナソニック、三洋電機など、異なる経験をつんだ一人ひとりのプロフェッショナルがアイデアを持ちより、ワンチームで前向きな解決策を出していく。こうしたPPESらしいチームのあり方が、プロジェクトを成功させる原動力になりました。

「量産前の最終段階にさしかかったとき、ある大きな問題が発生して当初予定していた生産ラインを大きく変更せざるをえない、ということがあったんですけど、全員が考えうる限りの解決策を一生懸命洗い出して、どれがベストか追求しました。最後には好田さん(社長)が『よしやろう』って、ラインの変更を決断しくれたんです。その時に、『できる』と思いました」(40Aプロジェクト 生産技術担当者)

世の中の変化の入り口に立つ仕事

プロジェクトを軸として現場のメンバー同士が強固な連携体制を築き上げる、また、重要な局面では経営トップもその中に入りワンチームで戦えること、これが、PPESの強みです。40Aは世界トップレベルの安全性と高品質を兼ね備えた新型バッテリーとして、トヨタ車の商品力向上に大きく貢献したことが評価され、トヨタ自動車から2022年度の「技術開発賞」を受賞しました。

受賞写真

「今、道路を走っている車のなかで、電気自動車は数パーセント程度。でも、数10年もするとその比率はどんどん増えていき、電気自動車を選ぶお客様が増えていく。そんな世の中の変化の入り口に立っているのが、私たちの仕事です。こんなことは自分の人生で何回もあることではないと思いますし、本当に魅力のある仕事だと思っています」

“ワンチーム”は、PPESの戦い方を表すキーワードです。車載用バッテリーには、多くの期待とともにまだまだたくさんの課題がありますが、PPESは一人ひとりの技術力とチーム力を磨き続けることで、脱炭素社会の実現に貢献すべく、挑戦を続けていきます。

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